パットマンⅩの 遊星より愛をこめて

桑田のユニフォーム姿、良いね!

GM交代に思う

巨人の今シーズンの不振の原因はGMにあるそうだ。13日、堤辰佳GMが更迭され、鹿取義隆が新GMになった。取り分け、FAで加入した陽岱鋼、山口俊、森福允彦の3人が全く戦力になっていないことが致命傷になったらしい。チームが勝てなくなると「フロントが悪い」とお題目のように唱える人がいるが、全く不思議な論理である。

では巨人V9時代のフロントは素晴らしく優秀で、監督が川上から長嶋になった途端に駄目なフロントになり、長嶋から藤田に監督が代わったらまた優秀なフロントが結集し、藤田から王にバトンタッチされたらまたまた駄目なフロントが雁首を揃え、王の後、再度藤田が監督になったら、三度優れた人材がフロントに集まったとでも言うのだろうか。

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フロントなど終始一貫して役に立たないのだ。分かり切ったことではないか。親会社の読売新聞から適当にオーナーや球団社長に任命される野球素人のサラリーマンに何ができるというのか。彼らは巨人が創設以来、どんな経緯でV9を達成し、どんな経緯で弱くなり、どんな経緯で再度強くなったかを知らない。ましてや、どんな野球をやればチームが強くなり、どんな野球をやれば弱くなるかなど一切知らないし、考えようともしないのだ。

巨人軍創設者である正力松太郎の息子、正力亨は、監督としての適性など何も考えずに大スターの長嶋と王を監督にすることを夢見続けた。長嶋が解任され、長嶋ラブコールが渦巻く中で藤田が監督としてマスコミや世論の激烈な逆風に耐えながら指揮を執っているシーズンの最中、オーナーである正力までも長嶋にラブコールを送り、温厚をもって鳴る藤田を激怒させた。現在の実質的な最高権力者渡辺恒雄は、「打者はどうして三塁に走っちゃ駄目なんだ?」と質問するほどのズブの素人であった。巨人フロントの実態など、こんなものなのだ。

相手に余計な1点を与えない堅い守りを大切にする監督と優秀な参謀がいれば勝てるのである。巨人の歴史が証明しているではないか。川上監督と牧野ヘッドコーチはその代表だ。藤田監督時代の牧野、近藤両ヘッド、原監督時代の伊原ヘッドと橋上戦略担当コーチ。強い時代には守備の大切さを熟知した監督と、敵の弱点を詳細に分析できる知的な参謀が必ずいる。逆に攻撃野球を標榜した長嶋・王の時代には無残な負け方をした。この不世出の大打者である二人の監督は、優秀な作戦参謀が必要だということすら知らなかった。いや、彼らの野球には参謀自体が必要ではなかったのだ。

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今の巨人のフロントで、これらの事実を把握している人間など一人もいない。長嶋を選手からいきなり監督にして失敗したことすら知らない。だから高橋を引退即監督に追いやって、コーチの人選を高橋自身に任せるなどという間違ったこと平気でやるのだ。

高橋を辞めさせることが難しいなら、今の巨人に最も有効な手立ては新しいヘッドコーチを内外に目を向けて招聘すること。実績のある伊原でも良いだろう。3軍にいる川相を呼び戻しても良い。文字通りチームのヘッド(頭脳)となるべき人材を確保することだ。春のキャンプで遊び同然のダラダラした守備練習を繰り返した報いがそれで挽回できるとは到底思えないが、やらないよりは遥かにマシである。