パットマンⅩの 遊星より愛をこめて

桑田のユニフォーム姿、良いね!

熱いだけなら、ただの高校野球

こんばんは♪ 
今回はどこぞのスポーツライターになり切って書いてみようと思います(笑)

9月3日の甲子園球場阪神 vs DeNA。2対1で阪神リードの8回表、投手はこの回から代わった藤川球児。一死1塁で、打球はセンター前へ抜けようかという鋭い当たり。それを二塁手の大和が横っ飛びで抑え、倒れ込みながらショートの北條へバックハンドでのグラブトス。ところが、このトスがやや高く逸れ、北條のグラブの先をわずかにかすめてグラウンドに落ちた。これで一死1、2塁のピンチ。阪神贔屓の実況と解説は「大和は素晴らしいプレーを見せたが、惜しかった!」と、一致したスタンス。

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私に言わせれば、ただの大和の判断ミスである。打球に追い付いた時の体勢を考えれば、北條へのトスが難しいプレーになるであろうことは容易に想像できた筈だ。打球が早かったので、一塁走者は二塁ベースの遥か手前にいる。ならば、ここでは二塁だけを確実にアウトにするべきだった。野球に「たられば」は禁物だが、そうすれば二死1塁となり、結果的に決勝打を放った筒香まで回ることもなかったかもしれない。危険な賭けに出てダブルプレーを狙う必要はなかったのである。

全力プレーを否定するつもりはない。しかしプロであるならば、瞬時にそこまで先を読む冷静なプレーができるものだと期待したいし、期待を裏切ってほしくはない。その意味で、大和はプロ以前の選手なのである。日本のスポーツジャーナリズムはいまだに浪花節が大好きだから、このようなプレーを無条件に褒め称える傾向がある。しかしそれでは、いつまで経っても「ああ、惜しかったね」で終わってしまい、進歩がない。

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この試合、阪神には不運な面もあった。打球と交錯した走者が守備妨害と判定され、大事な得点機を逃している。8回の筒香の決勝打は、深く守っていたレフトの前にポトリと落ちた。しかし、それも野球なのだ。言い訳にはならない。試合後の金本監督の談話が今の阪神を象徴している。「選手のどうにかしようという気持ちは見えたが、勝ち運がなくて、審判の判定やポテンヒットで負けたようなもの。明日も今日と同じくらいのファイティングポーズでやってほしい。」負けたのは不当な判定と不運なヒットのためだと、監督自らが公言している。そこら辺の浅はかなファンと何ら変わりがない。「選手のどうにかしようという気持ち」と「ファイティングポーズ」という言葉の中には、大和の ”惜しい” プレーも含まれているのだろう。一見立派に見えるが実は頭を使っていないプレーをファインプレーと肯定してしまう、問題意識のない指揮官。就任から一貫して「強い気持ち」を標榜してきた金本監督だが、より必要な「冷静な判断」を選手に求めることは、これからも決してなさそうである。


お粗末さまでした(^_^;)
当ブログではこれまで、金本を散々こき下ろしています。なぜか? それは、彼が時代にそぐわない指導者だからです。今の選手は、練習するにしても身体を鍛えるにしても理詰め(合理的)であることを大切にします。無暗に沢山練習すれば良いってものじゃないし、無暗に筋トレをすれば良いってものじゃない。試合でのプレーもそれと同じで、無暗に打球に対して突っ込めば良いってものじゃない。外野手が送球を焦って突っ込み過ぎて、頭の上をワンバウンドした打球が抜けていく、あるいはフェンスに近付き過ぎたためにクッションボールの処理を誤る。こんなプレーが度々見られます。これらの凡プレーの大半は、頭を使わないことが原因で起こります。頭を使うべきなのは、何も投手の配球を読んだり捕手のリードの傾向を把握したりするためだけではなく、全てのプレーにおいてなのです。そのためには「熱い気持ち」よりも「冷静な状況判断」が必要であることは言うまでもありません。

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金本のように「気合いだ! 根性だ!」しか言えない指導者に限って、何の脈略もなく「お前はホームラン20本打て」とか「お前は投げる試合に全部勝て」とか意味不明の指令を出す。理詰めで育ってきた選手にとっては「何言ってるんだ、この人…?」状態でしょう。かと言って理論で反駁すれば「屁理屈を言うな!」と切れられるのが落ち。そう、こういうタイプは目下の人間の理論武装を「屁理屈」「我儘」で片付けてしまうんです。部下からは最も嫌われるタイプであり、部下のやる気を失くさせる最たる人種であります。かつて野茂英雄メジャーリーグに渡ろうとした時、我儘だと言って頑なに反対したのが、当時の近鉄監督鈴木啓示でした。この人も現役時代の自分の経験のみを信じる、理屈の通じない監督でしたね。聡明な野茂から見たら単なるクソ爺だったでしょう。これも、もう20年以上前の話です。時代にそぐわないとは、そういう意味です。今なら尚のこと、間違っても部下の信頼は得られないし尊敬もされません。

もっとも、金本は現役時代からベンチで煙草をプカプカ吹かすようなマナーの悪い選手でしたから、元々人望なんてないんですけどね。こういう人物を監督に据える球団のセンスは、まさに最悪です^^;