パットマンⅩの 遊星より愛をこめて

桑田のユニフォーム姿、良いね!

2リーグ分裂後の各年代毎の順位②

さて、一方のパシフィック・リーグはどうでしょうか。

   1950~1959        1960~1969       1970~1979
 1位 西鉄 66p     1位 南海 54p     1位 阪急 72p 
 2位 南海 61p  -05    2位 東映 44p  -10    2位   46p  -26
 3位 毎日 47p  -19    3位 西鉄 38p  -16    3位 近鉄 38p  -34
 4位 阪急 33p  -33    4位 阪急 37p  -17    4位 南海 37p  -35
 5位 東映 19p  -47    5位      32p  -22       5位 日ハム 23p  -49
 6位 近鉄 14p  -52    6位 近鉄 18p  -36    6位 西武 18p  -54 


     1980~1989        1990~1999       2000~2009
 1位 西武 80p       1位 西武 73p     1位 西武 54p
 2位 阪急 41p  -39    2位 オリックス  53p  -20      2位 ソフバン  53p  -01
 3位 近鉄 38p  -42    3位 ダイエー  32p  -41    3位 日ハム 43p  -11
 4位 日ハム 34p  -46    3位 日ハム 32p  -41    4位   32p  -22
 5位   29p  -51    3位 近鉄 32p  -41    5位 オリックス  21p  -33
 6位 南海 18p  -62    6位   20p  -53     (参) 近鉄 17p 
                                                                                (参) 楽天   12p

50年代は西鉄と南海の2強時代でした。西鉄が4度、南海が5度リーグを制していますが、日本一は西鉄が3度で南海は1度。この差により西鉄が首位に。56年からの巨人との日本シリーズ西鉄三原監督vs巨人水原監督の”巌流島対決”と呼ばれ盛り上がります。西鉄連覇の後の58年、巨人は初戦から3連勝と王手。しかし、西鉄はそれから奇跡の4連勝。水原監督は、結局一度も三原監督に勝てませんでした。さらに翌年のシリーズは南海が巨人に4連勝。悲願の日本一を成し遂げた鶴岡監督は御堂筋パレードで涙しました。近鉄は全てBクラスで最下位も7度。セの大洋と並ぶお荷物球団でした。

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60年代は南海が安定した成績を残し首位。それでも日本シリーズで巨人に3度敗れるなど日本一は1度だけで、ポイントは伸びません。50年代に5位だった東映は、巨人を去った水原茂が監督に就任し2位に浮上。62年には阪神を下し日本一になり、7年間の監督在任中一度もBクラスに落ちることがありませんでした。ところが、大下弘に監督が代わった68年には途端に最下位。やっぱり監督の手腕は大きいんですねえ。西鉄は1度リーグ優勝するも、巨人に敗れ日本一なしと凋落傾向に。西本幸雄監督が就任した阪急はリーグ3連覇もシリーズでは川上巨人に全敗し、西鉄に僅かに及ばず。近鉄は最下位7度と依然弱く、Aクラスは1度だけでした。

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62年、胴上げされる水原監督

70年代に入ると、60年代はBクラスだった3球団が揃ってAクラスに浮上します。阪急は6度リーグ優勝、上田利治監督下で日本シリーズ3連覇など断トツの首位。パの球団では初めて、セの巨人に1ポイント差にまで迫ります。ロッテは濃人渉監督でリーグ優勝1度、金田正一監督で日本一1度。日本一のない他の4球団に差を付けました。近鉄は74年に西本幸雄監督が就任してから徐々に成績を上げ、南海を僅かに上回ります。西鉄は凋落著しく、ついには球団譲渡。太平洋クラブ、クラウンライターと名前が変わるなど迷走、79年に西武ライオンズが誕生します。なお、クラウンライターだった77年のドラフト会議では指名順1位となり、在京球団希望の江川卓を敢えて指名。当時は指名順をくじ引きで決める制度だったため指名即交渉権獲得。結局江川には拒否され、指名順2位の巨人を大いに悔しがらせました。

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77年のドラフト会議

余談ですが、当時、クラウンライターは多くの野球ファンから「いつ身売りしてもおかしくない、ヤル気のない田舎球団」と思われており、12球団間で人気・待遇等の格差が大きかった時代、江川が最も指名されたくない球団と目されていました。クラウンライター・ライオンズという情けないチーム名にもずっこけましたけどね。結果、浪人を余儀なくされた江川って本当に不運・・・(はい、巨人ファン目線です^^;)

80年代は西武の時代です。広岡達朗監督が”海軍式管理野球”で負け犬根性を一掃し3度のリーグ優勝2度の日本一。とりわけ”盟主対決”と呼ばれた83年の巨人とのシリーズを制し、名実ともに全国区に。それを土台にした森祇晶監督も日本シリーズ3連覇。60年代の巨人(96p)、50年代の巨人(81p)に次ぐ80pという圧倒的な強さで、巨人以外では初の年代別総合首位となりました。他の5球団では近鉄が2度、阪急と日本ハムが各1度リーグ優勝しましたが日本一は成らず。ロッテは優勝なし、南海は全てBクラスと、西武には遠く及びませんでした。

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87年日本シリーズ 王巨人打倒を目前に涙ぐむ西武・清原

これも余談ですが、広岡監督も森監督も巨人出身の頭脳派。それに対し”本家”の巨人はスーパースター長嶋・王が監督に。結果として、これが両者の明暗を分けたと思います。あくまで四番とエースを監督に据えたがる巨人の弊害がまともに現れた時期でした。川上野球の正統的な継承者が広岡・森であり、この二人を監督にしていれば巨人は間違いなく黄金時代を築いていたでしょう。広岡・森両氏とも後に巨人監督のオファーを受けましたが断っています。まあ、監督就任のタイミングは難しいですね。

90年代も西武の時代が続きます。森監督で5度のリーグ優勝3度の日本一(3連覇)、東尾監督で2度のリーグ優勝。80年代に続き両リーグ合わせてトップの成績でした。それに次ぐのは阪急から球団を譲渡されたオリックスで、仰木監督の下95、96年とリーグ連覇し96年は日本一。10年間でBクラスは一度もなしという好成績。3位にはダイエー日本ハム近鉄が同ポイントで並びました。ダイエーは97年まではロッテと最下位を争っていたのですが、98年の3位、99年の日本一で一気に浮上。その後の強大チームへの礎となった時期と言えるでしょう。

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99年  ダイエー初のリーグ優勝(遺影は根本陸夫前監督)

2000年代は西武とソフトバンクが拮抗します。リーグ優勝(シーズン1位)は西武が2度、ソフトバンク4度。しかしソフトバンクは当時行われていたプレーオフに弱く、2年続けて日本シリーズ出場を逃した不運なども響き、西武が辛うじて首位。西武は、両リーグ合わせての首位の座は巨人に譲ります。90年代2位だったオリックスはAクラスが1度だけと低迷し、04年に消滅した近鉄と05年から新規加入の楽天を上回るのが精一杯でした。

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2005年 ロッテ下剋上 31年振り日本一

50年代に強かった西鉄と南海が年代によっては最下位に落ちるなど、全体的に起伏が激しいのがパシフィック・リーグの特徴です。それでも、その2球団は資本が代わりながらもトータルでは1位と2位を占め、70年代に首位を独走した阪急の流れをくむオリックスが続く形です。全球団の資本が代わるなど、運営面ではセントラル・リーグに比べて安定感を欠いてますね。

2010年代は

   1位 ソフトバンク 49p    2位 西武 24p  2位 日本ハム 24p
   4位 ロッテ 20p   4位 楽天 20p  6位 オリックス 15p 

という結果に。ソフトバンクの強さが当分続きそうな気がします。
1950年から2015年までのトータルポイントは次の通りです。

   1位 西武 353p  2位 ソフトバンク 304p  3位 オリックス 272p
   4位   226p  5位 日本ハム   219p  6位  近鉄   157p 
         7位 楽天   32p
  
両リーグの垣根を取り払うと・・・

       1位  巨人     468p   
       2位  西武     353p    
       3位  ソフトバンク 304p 
       4位  中日     273p  
       5位  オリックス    272p 
       6位  阪神     242p 
       7位  ロッテ  226p   
       8位  ヤクルト         224p    
       9位  日本ハム  219p 
      10位  広島     214p     
      11位  DeNA  169p   
      12位  近鉄     157p (2004年に球団消滅)
      13位  楽天       32p (2005年から新規参入)

今後はソフトバンクが西武を猛追しそうです。
ひょっとしたら巨人に迫るかも。
西武は一時は巨人に代わる盟主などとも呼ばれましたが、ここ数年はその面影はありませんね。

年代別のセ・パ日本シリーズ対戦結果
50年代 双方5勝5敗
60年代 セ8勝パ2勝
70年代 セ6勝パ4勝
80年代 双方5勝5敗
90年代 双方5勝5敗
00年代 双方5勝5敗
10年代 セ1勝パ5勝
 計   セ35勝パ31勝


今年もシーズンは終わり。
これからの数ヶ月はストーブリーグを楽しみましょう♪

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まかり間違って巨人に来ないかな・・・(^^;)