パットマンⅩの 遊星より愛をこめて

桑田のユニフォーム姿、良いね!

集団的自衛権の限定行使容認で大騒ぎ

日本という国は、つくづく特殊だと思う。
海外の紛争地に滞在する日本人を救出するために自衛隊を派遣するのは駄目だと言う。何故駄目なのか。答えは「危ないから」。だから、アメリカの軍隊に助けてもらうのだと言って、何ら恥じようとしない。アメリカの兵士が危険な目に遭うのは一向に構わないそうだ。どこまで身勝手なのか。

アメリカ人兵士にも、当然のように両親がいる。兄弟もいる。妻も子供もいる。彼らは、それでも危険な位置に自らを置き、国を守ろうとしている。それだけではなく、同盟国が攻撃された場合にも、その国を守るために命を賭す覚悟を持っている。

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国を愛し、平和を愛するとはそういうことだ。平和のための闘い。一見矛盾するこの言葉は、矛盾でも何でもない。歴史上、平和は常に多大な犠牲の上に成り立ってきた。邪(よこしま)な国は、いつの時代にも存在する。いつ、何が起こるか分からない。そのために万全な備えをする。当たり前のことだ。

集団的自衛権もその一環である。悪い奴には、隣近所で力を合わせて対処する。隣近所に悪い奴がいれば、ちょっと離れたところにいる者にも助けてもらう。逆の立場になれば、今度は助ける側になる。至極真っ当な理屈ではないか。

日本人は、助けてもらうのは甘んじて受け入れるけれども、その助けてくれた人を助けるのはまかりならんと主張して憚らない。何故まかりならんのか。やっぱり「危ないから」。どれだけ支離滅裂なことを言っているのか、自分でも理解できないのだ。驚くばかりである。

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今回の安保法制の件でよく聞く言い回しが、「集団的自衛権(これすら限定的なのだが)を行使することで、自衛隊員の危険が増さないのか」という疑問。任務の範囲が物理的に増えるのだから、危険が増すのは自明の理。少し考えれば小学生にも分かる。自衛隊員が危険に晒されるのは、その任務の性質上仕方のないことだ。そんなに自衛隊員が可愛いのなら、隊員の代わりに自費で戦地に行って紛争を収束すれば良いだろう。その覚悟もないくせに「危ない、危ない」と連呼して、いかにも他人の身を案ずる良い人を演じようとする。鼻持ちならないとは、このことだ。

今回の集団的自衛権の範囲では、アメリカが攻撃された場合、それだけでは日本は同盟国でありながらアメリカを助けることはできない。日本あるいは日本人に重大な危機が及ぶ恐れがある場合にのみ、アメリカを助けることができる。例えば、紛争地に滞在する日本人を救出し、安全な場所に輸送する途中のアメリカの船が攻撃されたときには、アメリカの要請があれば自衛隊が手を貸すことが可能になる。ということは、今までの法律では、日本人が乗っているアメリカの船が攻撃されても、日本は為す術がなかったのだ。こんな欠陥だらけの法律を改正するのは当然ではないか。

その結果、自衛隊は日本人を守るために他国と交戦することになる。犠牲者が出るかもしれない。”反対派”は、これを恐れているのだろう。もしくは、反対のための口実にしているのだ。命の危機に瀕している一般邦人よりも、自衛隊員の安全の方が大切らしい。馬鹿も休み休み言うが良い。

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その他の反対意見
・徴兵制が復活するのでは?
 一部野党やマスコミの難癖を、訳も分からずにそのまま繰り返しているだけ。集団的自衛権と徴兵制とは何もリンクしない。
憲法改正が先では?
 この”占領憲法を後生大事に抱えている日本”で、憲法改正に何年かかると思っているのか。現実を見ない浅薄な意見。
・何故急ぐのか?
 善は急げと言うでしょ。では、何故今では駄目なのか?


テレビのワイドショーで、安倍首相が生出演して色んな疑問に直接答えていた。分からず屋たちの相手は本当に疲れることだろう。ご苦労様ですと言いたい。内心、「こんな簡単なことも分からんのか」と辟易しても、それを顔に出す訳にもいかない。彼らの中に、法律がどう改正されるのか、原文を読んだ者が何人いたのだろう。百歩譲って彼らの多くが原文に触れていたとしても、反対している一般の視聴者は、恐らくほとんど原文は読んでいない。マスコミが垂れ流す内容を、そのままオウム返ししているだけだ。自分の不勉強を棚に上げて、安保法制に対する国民の理解が進んでいないと、政府を批判している。恥ずかしい限りだ。

六十年安保も、PKOも、秘密保護法も、その都度大きな反対勢力に晒された。彼らは「戦争になる!」「言論統制だ!」「戦前の暗黒時代の再来だ!」などと大嘘をでっち上げて国民の不安を煽った。今回も、それと何ら変わるところがない。新しいことをやろうとすると、必ず嘘を吐いて反対する者がいる。「怖い、怖い」と、訳も分からずに情緒に訴えようとする。獅子身中の虫とは、彼らのような人間を指す。

”戦争法案”と名前を付けて、日本が今にも戦争に巻き込まれるような印象操作をする輩。考えてみて欲しい。戦争をして、日本が何か得をしますか? 安倍首相が何か得をしますか? 安倍首相は、一時的には支持率を下げても、将来の日本のために必要な法整備をしているだけ。集団的自衛権は、すなわち戦争の抑止。もしイギリスやフランス、ドイツやイタリアも含め、西側諸国が日本の有事の際に共同で対処する枠組みが構築されたら、中国が日本に攻め入る可能性は限りなく低くなる。今はまだアメリカとの二国間関係に過ぎないが、集団的自衛権の最終形態としては、それが望ましい。つまり、日本は同盟諸国と行動を共にする軍隊を持つ”普通の国”になるべきなのだ。

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こう書くと、すぐに「右翼だァ! 軍国主義者だァ!」とのたまう人。その人たちにとっては世界中のほとんど全ての国が右翼で軍国主義国家なのだが、その点はどうするのか。特にアメリカは極右だね。でも、アメリカの批判はまずしない。真の軍国主義国家である中国や北朝鮮の批判に至っては絶対にしない。ホント、救いようがない。脳にウジでも湧いているのだろう。

瀬戸内寂聴が最近、「戦争は“集団人殺し”。世のため人のための戦争など存在しない。これだけ多くの人が反対したことは歴史に残る。安倍さんがいかに悪い政治家だったかも歴史に残る」と発言した。この人も安保法制は”戦争法案”だと信じて疑わない”思考停止中”の一人。

私は戦争映画が大好きで、先日も「プライベート・ライアン」を数年ぶりに鑑賞した。戦争の悲惨さ、醜さを改めて痛感し、こんなことは絶対にあってはならないと思って涙した。正に集団人殺しである。しかし、戦争が悲惨だから、では備えもしなくて良いのかというと、決してそんなことはない。むしろ逆である。備えることと、実際に戦争をすることとは100%別物なのだ。思考停止中の寂聴さんは残念ながら、そんな簡単なこともお分かりでない。

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ブラックホークダウン」も観たけど、「プライベート・ライアン」には遠く及ばないなあ。